湾内では3月の下旬頃から、脂が乗った中、大アジが釣れ始める。しかし、近年はがっくりと魚が減ってしまった。安浦、走水、、鴨居港の2、3の船宿がこのアジを釣らせてくれるだけになってしまった。走水や観音崎沖のポイントは潮が速い場所だ。潮が緩む頃合いを見計らって本命の場所を釣ることになる。
随分と前のことだが、このアジをたくさん釣ったことがあった。幸せな気分で陸の方に視線を移したら、観音崎の小高い丘には山桜の花が点々と灯を点したように咲いているのが見えていた。この辺の山桜は4月10日前後に満開となる。この頃になると毎年このアジ釣りのことを思い出す。
この時期の釣り場の水深は5、60mだ。大潮廻りは潮が速くてとても釣りにならない。走水沖は特にそうだ。ベテランたちは潮廻りを選んで釣行する。早出の船なら6時から8時ぐらいまでに潮止まりがあるある日を、午後船なら2時から3時ぐらいに潮止まりがある潮廻りを選ぶのである。小潮廻りは釣りやすい潮の日が多いが、概して釣れないものだ。マアジの25〜30cm級が揃う。よく太っていて、脂の乗りは最高だ。早春は湾内の水温が未だ冷たくて、不安定な時期である。どうしても、ムラっ気が多くなる。
だから、最近は安定して釣れる剣崎や富浦方面に走る船が多くなった。こちらは水深が80m前後とやや深い。釣れるアジは25cm前後の中アジが主体になる。釣った時は結構大きく見える。しかし、クーラーボックスに入れて氷水で〆ると、一回り小さくなってしまうのがここのアジの七不思議だ。まあ、沖合いで釣れるアジは大抵がそうだが。
|